プラスマイナスゼロ
香港に来たついでに、マカオへ足を伸ばした。
「1999年、4年後にはポルトガルから中国へ返還される。せっかくだから、パスポートにスタンプを押してもらい、街を見ておこう」――その程度の軽い気持ちだった。
来てみると、カジノが想像以上に面白い。
観光客がカジノで落とすお金で、この街の経済は回っているらしい。
日本ではパチンコも競馬もやらない僕が、まさかカジノを面白いと思うとは――。
自分でも意外だった。
今日は、一日やって、増減なし。
旅の費用

回想
1990年代、マカオではカジノ税(賭博による歳入)だけで、政府歳入のほぼ半分を占めていたという。
カジノ目的の観光客が、食事や宿泊、買い物で使うお金を考えれば、実質的に“賭博依存の国”だったのは間違いないだろう。
もともと賭け事にまったく関心がなかった僕が、日記に「カジノが面白い」と書いているのだから可笑しい。
とはいえ、実際にはミニマムベットの500円とか1,000円を、勝ったり負けたりしていただけだ。
それでも、気がつけば8時間以上、ほとんど立ちっぱなしでカジノにいた。
思えば、今も昔も日本の4円パチンコでは、当たらなければ1万円なんて30分ももたない。
それに比べたら、マカオのカジノは1万円の予算で丸一日楽しめたわけで、あれは、なかなか良心的な娯楽だったと思う。


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