ポルトガル領のマカオへ
フェリー船で、香港からポルトガル領のマカオへ渡る。
宿を探した。一泊150香港ドル。
個室。シャワー付。普通に清潔。これだけで、贅沢気分。
チェックインを済ませ、向かった先はカジノ「マカオパレス」。
100パタカ――日本円にして1,100円で開始。
金額は小さい。だが、予算の決まっている旅の最中の僕にとっては、小さい金額に思えない。
19時から夜中夜1時まで。結果はプラス200香港ドル。
良かった。今日の宿代分だ。
翌日、「東洋一」と言われるリスボアホテルのカジノに行ってみよう。。
「絶対に負けたくない」。
旅の費用

T/C 40,000円両替→HK$3600
マカオでは、マカオパタカ(MOP)と、香港ドルが使えた。カジノでは中国元も使えた。
1香港ドル(HKD) ≒ 1.03マカオ・パタカ(MOP)マカオパタカ(MOP)
なので、1香港ドル=1マカオパタカとして、記録。
回想 カジノで熱くなってもBET最低な僕
日記をめくると、当時の僕のカジノへの意気込みが、やけに熱っぽく記されていた。
……正直、少々恥ずかしいので、大半は割愛した。
一例を挙げれば、
「どんなに負けても、日本への交通費だけは残さなければならない」
などと、いかにも旅人ギャンブラー風に書き殴ってある。
おそらくこれは、沢木幸太郎の『深夜特急』に影響され、大げさに表現したのだと思う。
だが、現実の僕はというと――「絶対に負けたくない」と勇ましく構えておきながら、一回のベット額は数百円。
収支は一日せいぜい一万円前後。旅の予算は三百万円以上あったのだから、もう少し賭けても良かった気がする。
振り返れば、僕は徹底して“超低リスク”な遊び方をしていた。
小説のように、旅の全財産を賭けに投入する――そんな生き方は僕には無理だし、やろうとも思わなかった。
僕にとってのカジノは、勝負というよりも、雰囲気とゲームを楽しむところだった。


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